こじま

記事一覧(19)

5月の近況

台湾出張から戻ってしばらくバタバタしてたんですが、ちょっとひと息ついたので久々に記事をあげたいと思います。とはいえ、取り立てて特別な話題があるわけではなく、こんなしょーもない記事や情報でも気軽にどんどんアップしてくださいね、という例を示して、書き込みのハードルをガクッと下げるのが狙い目なので、中身のクオリティの貧弱さについてはあんまり突っ込まないこと。以下、この頃の近況をダラダラと。出張前後の隔離生活(2週間✕2回)で体がすっかり鈍ってしまった出張~隔離の間、先延ばしにしていた飲み会がどんどん入ってきて飲み疲れ気味寝違えて左肩甲骨の裏のスジを痛める(一時期パンパンに腫れ上がる)キングダム全巻借りたので、以前読みかけてたとこから先のエピソードが全部読めて嬉しい家賃が下がってると聞いて引越し先を探し始めるが、意外に近所は値崩れが起きておらず、厳しい現実を知る中国出張のためのビザ申請、引き続き難航する。心折れそうになっているアプリで馬券を買う味を覚え、のめり込みそうになるスーパーで鹿児島県産のそら豆($45/パック)を発見し、狂喜乱舞するワクチン(ビオンテック)1回目を接種ワクチン、明日2回目だ。どうなることやら?こんなところです。特に大したエピソードがあるわけではないんですが、皆さん、こんなんでいいんで、記事、書き込みお待ちしてます。岡本さんは、早く書評コーナーをお願いしますね!

気になるワクチン情報のまとめ #2

3月8日からワクチン接種優先グループの範囲が拡大され、以下のカテゴリーが新たに対象となっています。飲食店、市場、スーパーマーケット、コンビニ、宅配、デリバリーのスタッフ公共交通機関のスタッフ(タクシー、バス、ミニバスの運転手、電車の車掌、駅員)登録された工事作業員不動産管理のスタッフ(警備員、清掃員、セキュリティスタッフ)教師と学校職員(幼稚園、小・中・高、大学、特別支援学校の職員、スクールバス運転手を含む)観光業のスタッフ《預防及控制疾病(規定及指示)(業務及處所)規例》(第599F章)で指定された施設のスタッフ(現時点ではジムとエステ)また、先日の記事で、ワクチンの入着状況をちらっとお知らせしておりましたが、復星・ビオンテック社のワクチンが3月8日時点の累計(第1弾、第2弾合計)で、約134万回分が香港に到着済とのことです。これで、既に到着済のシノバック100万回分と合わせ、234万回分(≒117万人分)が入着済ということになります。いっぽう、3月8日時点での香港のワクチン接種者数は累計で10万人ちょいとなっています。ペース的に多いのか少ないのか分かりませんが、接種期間のキャパの問題とかもあるんでしょうか。接種後に亡くなったケースが出てきたことで、予約のキャンセルや、申込みを控える動きが出始めているとの報道もあります。

気になるワクチン情報のまとめ

シノバック製コロナワクチン「克爾来福(CoronaVac)」に続いて、復星・ビオンテック製の「復必泰(Comirnaty)」が香港に届いたとの報道があり、自分はいつになったら接種できるんだろう?と気になってる方も多いかと思います。そんな方のために情報をまとめてみました。ワクチンの初回ロット到着を受けて、2月26日(金)から接種が始まっていますが、現在は、以下の第一優先グループが対象となっています。医療従事者、新型コロナ対策業務従事者60歳以上(70歳以上老人に同行する介護従事者は2人まで一緒に接種可能)老人ホーム・障がい者ケアホームの入居者とスタッフ公共サービスの維持に必要な公務員(環境衛生関係者、ゴミなどを処理する人、街頭の清掃員、市民との接触が多い人、規律部隊、郵便局の窓口で働く人など)境界をまたぐ運送業者、出入境関係者(トラックドライバー、飛行機などの乗組員、空港ターミナルの職員など)(出典:香港経済新聞)香港政府の試算では、上記の優先接種者が約300万人いるとのことなので、我々一般市民への摂取開始は、その次のフェーズとなります。現時点で入着済みまたは近日入着のワクチンの総量が、シノバック100万回(≒50万人分)、復星・ビオンテック100万回(≒50万人分)で合計100万人分なので、あと200万人分の目処がついてから我々の番、ということになりそうです。香港政府は、上記二種類のワクチンにアストラゼネカ・オックスフォードを加えた3ベンダーと各750万本、計2,250万回分(≒1,125万人分)の契約をしているので、あとは各社の生産、納入次第でしょうか。香港政府の発表では、今年中に全市民へのワクチン接種を完了する計画とのことです。アストラゼネカ・オックスフォード製ワクチンの納入は今年の後半になるとの見込みですので、今年前半は、シノパック or 復星・ビオンテックの二択ということになりますね。なお、接種の申込みは、香港政府のワクチン専用サイトで申請可能です。今しばらくは、順番が回ってくるのを、身を潜めて大人しく待つことにしましょう。

本日は元宵節

です。春節や中秋節といった他の節句と比べて、ややキャラの薄いイベント(注:俺調べ)ですが、簡単にまとめるとこういうことだそうです。新年(旧暦)最初の満月の日旧正月期間の締めくくりの日湯圓を食べます提灯を飾ります中國情人節(Chinese Valentine's Day)の別名ありかつて女性が自由に夜間外出できなかった時代、この日は男女とも朝まで歩き回ることが許されたため、人々は天下御免で夜のデートを楽しんだらしい今は昔ほど意識されなくなりましたが、元々日本でも1月15日を「小正月」として、松の内の締めくくりとするしきたりがあります。地方によっては、小豆粥を食べたりどんど焼きをやったりしてますね。一年以上コロナで行動を制限され、起伏のないツルッツルな日々を送っていると、何ともいえない倦怠、停滞のムードに襲われるときがあります。地球の公転とか、農業生産上の理由、集団生活の維持といった実利的な目的があったのはもちろんですが、放っとくとすぐ倦んだり飽きたりサボったりしがちな人間の本性を、節目節目のイベントで糠床をかき回すようにリフレッシュするような狙いも、きっとあったのでしょう。伝統とか、しきたりとか、昔は鬱陶しくてしょうがなかった時期もありましたが、最近、昔の人の工夫や知恵の蓄積は侮れんなあ、と実感することがちょくちょくあったりします。

ジェンダー平等について考えたりしてみる

東京五輪・パラ組織委員会会長の人事を巡る一連の騒動をきっかけに、ジェンダー平等について色々考えるところがあったので、忘れる前に備忘録代わりに書き留めてみる。ジェンダーに限らず、世の中の平等を目指す動きは、やりたいこと、やれることがあるのに、本人にはどうしようもない理由でその機会を奪われる理不尽を解消すること、それによって人々の幸福度を上げていくことに、そもそもの狙いがあるものと考える。あるパラメータだけを切り取って平等平等と叫ぶことで、他の平等が犠牲になったり、窮屈で生き辛い世の中になっては本末転倒のおそれもあろう。2019年12月公表のジェンダーギャップ指数2020で特に日本の成績が悪かった経済分野の課題は、待遇、処遇面での不平等である。この問題を解決し、かつ皆が幸せになれる究極の処方箋は、性別に関わらず、(求められる)能力を持つ人材を適材適所に配置し、その職務に応じた正当な対価をきちんと支払うことであり、クオータ制などという帳尻合わせでは本質的な解決には至らないと考えるのだがどうだろうか。また、ここで言う「能力」には、業務遂行に直接的に関わるスキルだけでなく、コミュニケーション能力や、人にやる気を出させたり、場を明るくしたりする間接的な能力も含まれて然るべきだろう。そしてその中のひとつの要素として、性差による特色、例えば女性ならではのセンスのよさであるとか、男性ならではの体力であるとか、そういうものも入っていいんじゃないかと思う。これは例えば貿易に置き換えたらわかりやすいが、工業国であるA国と農業国であるB国が、工業製品と農産物を交易するイメージに近い。この状況での平等とは、適正な価格や条件で通商を行うことである。不平等とは、相手の不利や無知をいいことに安い値で買い叩いたり、不当な関税をかけたりすることである。異なった産物や付加価値を持つ国や部族同士が正当な条件でそれらを取引することを不平等とは言えまい。男女の差だって突き詰めれば同じことで、それぞれに特色があり、得手不得手もある。無論、男はこうあるべきとか、女のくせにとか言ってるわけではなくて、持って生まれた特長を活かして何が悪いという話である。性別由来の強みであっても、自分の戦闘ツールのひとつとして取り入れ、総合的な付加価値を形成していけばいい。そして組織の側は、そこを踏まえた上で、求められる職務に応じた能力を持つ人を、性別によらずフラットにアサインし、正当な待遇で処遇せよ、ということである。これがなかなか出来ない背景の仮説として、日本の大多数の企業が、表向き成果主義を標榜しながら、本質はメンバーシップ型雇用を踏襲し、ジョブ型雇用になかなか移行しきれていない事情があると踏んでいるのだが、この話はややこしくなるのでまた次の機会に譲りたい。上にも挙げたジェンダーギャップ指数(GGGI)という指標では、日本の順位は153ヵ国中121位(2019年12月発表時)とひどい順位で、これが、日本は遅れてると散々に言われる一因になっているわけだが、この中身をつぶさに見ていくとあれっ?と思わざるを得ない部分があるのに気がつく。前にも例を挙げた、分野別にはトップクラスのものもあるのに、全体の成績がかなり悪く集計されてしまうとか、そもそも国の人口構成そのものに偏りがあるのにそこが考慮されないとか、男性側の不平等が数字に出てこない点とか、各パラメータの点数の配分の問題とか、それこそ挙げ出したらキリがない。それに世の中には、ジェンダーギャップ指数(GGGI)以外にも男女平等をはかる指数はいくつかある。それぞれの指標と日本の順位は以下のとおりである。(出典:内閣府男女共同参画局発表の最新データ)HDI(人間開発指数)19位/189か国GDI(ジェンダー開発指数)51位/166か国GII(ジェンダー不平等指数)23位/162か国BIGI(男女不平等基本指数)80位/134か国どれも、ジェンダーギャップ指数(GGGI)よりはましな成績に見えないだろうか。もちろんこれらの指数はどれがよくてどれが悪いと言う単純な話ではなくて、それぞれ狙いどころと設計が違うだけなので、目的や切り口に応じて最適なモノサシを選べばいいということである。中身も把握しないまま何位だ何位だと大騒ぎする必要はないし、それが本質的な問題解決に結びつくとは考えにくい。ちなみにBIGI (男女不平等基本指数)で日本の順位が80位と低めなのは、女性よりも男性が若干不利となっているせいで、女性の健康寿命が長いのが効いているらしい。こう言う男女双方からの視点も大事だろう。以上、取り止めもなく書き綴ってしまったが、このテーマは世の中の流れとしてだけでなく、人間や民族の普遍的な価値観に関わる重要な論点だと思う。皆さんのご意見も広く聞かせてもらいたいので、今後の百式会でも是非取り上げてみたい。

偉大な科学者たちのシャレにならない失敗談集

科学史における数々の誤りと、また、よかれと思って開発された技術が、間違った使い方によって結果的に人々に災禍をもたらしてしまったケースを取り上げ、それぞれが不幸な結末に至ってしまった経緯と、そこから汲み取れる教訓を考察する。7つの発明のしくじり話の中でも、特に殺虫剤DDTを禁止に追い込んだ「沈黙の春」のエピソードは、この世の中の至るところで、それこそ我々の身の回りでもちょくちょく起こっている類似の現象を想起させる内容で、示唆に富む。生物学者のキャリアを断念しジャーナリストに転向したペンシルバニア出身のレイチェル・カーソンは、1962年に彼女の4冊目の著書である「沈黙の春」を上梓した。この中で、殺虫剤DDTの悪影響に言及し、小動物が犠牲になっていることや、人間(特に子供)に健康被害をもたらすことを指摘する。すでにサイエンス・ライターとして一定の評価を得ていた彼女の言説は、世論の反響を呼んだ。これにより環境保護活動が活気付き、エスカレーションしていった結果、約10年後に米国の環境保護庁はDDTの使用を禁止した。だが、いっぽうで、安価で効果の高いDDTが生産されなくなったことで、途上国でマラリアの感染者が増え、数百万人(その大多数は子供)が助かったはずの命を落とすことになった。その後の研究で、指摘されていた害とその程度については根拠がないことが明らかになり、2006年にWHOは使用禁止の方針を撤回する。環境保護庁がDDTの禁止を決定したときには、根拠となる二種類の資料があったという。ひとつは化学、毒性学、農学、環境衛生学の専門家100人が作成した9000ページに及ぶ報告書で、DDTが小動物や人間の健康に深刻な影響を与えることはない、と結論づけたもの。長尺で退屈な大著であるが、内容は正確であった。もう一つは言うまでもなく「沈黙の春」。データは不備で、科学的根拠に乏しい伝聞のエピソードが多いが、文章は美しく、感情に訴える。ここで彼らは、データを軽視し、センチメントを優先して後者を採り、決断を下した。結果として、本当にあるかないかよくわからないリスクを避けるために、存在が確実なリスクに人命を晒し、多大な犠牲を出すことになった。著者はこの章の結びで、同じ過ちを繰り返さないための教訓として、データの重要性と、用心することにも用心が必要であることを説く。科学者、専門家以外の我々普通の市民であっても、また自然科学に直接関わる事象でなくても、データや情報の読み取りには最新の注意を払い、リスクの軽重と優先度の判断は、しっかり頭を冷やしてやんなさいよ、と言う警告にも思える。我々人類はどうやら、余程謙虚に、慎重に、と常々気をつけておかないと、すぐに愚かな誤認、錯誤を犯してしまいがちな存在らしい。本書の他の章で紹介されていた興味深い実験がある。カリフォルニアの催し物会場で、ジヒドロゲンモノオキシドの使用禁止を訴える署名活動を行ったところ、この物質に対し、いかにも身体に悪そうなイメージを持った人々がこぞって署名し、その数はあっという間に数百人に達した。ちなみにこの化合物の化学式はH2O。かくも多くの人々が、水を禁止するために力を合わせて声を上げた、と言う実話である。

結局

こういうことになってしまった。別に個人的に森さんを大好きで手放しで応援してる訳でもないし、件の発言に非難を受けても仕方のない要素(=ツッコミどころ)があったことは否定しようがない。ただこれで一時的に溜飲の下がる人がたくさんいたとしても、最終的に大多数の人が幸せになる展開に転がるような気がどうしてもしない。理由は三つ。ひとつは、所謂「余人をもって変えがたい」という声もある森さんの役割、機能面である。IOC、都、関係省庁、団体、企業といった、それぞれ一筋縄では行かないステイクホルダーとの折衝、交渉は、昨年一年延期した大会の開催が5ヶ月後に迫る中、未だコロナが制御出来ていない状況化で、ますますハードルが上がる筈だ。他の誰がやっても、おいそれと引き継げる仕事ではないだろう。これについては、素人があれこれ言うよりも、事情に詳しい人が書かれた記事を見つけたのでこちらを参照願いたい。これは個人の憶測の域を出ないが、今回の辞任でIOCに主導権を握られ、今後の大会開催の是非およびその後の金銭的補償、賠償の駆け引きで、大きなバーゲニングパワーを失った日本側が不利な立場に追い込まれるのがとても心配である。次に、森さんが辞任することで、森さんの発言の端々に漏れているとされるGender Equalityの問題解決には繋がらない点である。何故ならこれは、森さん個人の問題でも、組織委員会の問題でもなく、日本社会全体の問題であり、我々ひとりひとりの問題であるからだ。もしも日本社会が、今現在この方面で世界に誇れるような優等生であるのなら、国の看板に泥を塗った人にご退場頂くことで、「お恥ずかしいところをお見せしまして」と幕引きをするオプションもあるだろう。でも森さん以外の我々日本国民は、そんなに立派なのであろうか。この問題を評価する際によく使われる、ジェンダーギャップ指数(GGGI)という指標がある。2019年12月に公表された「ジェンダーギャップ指数2020」によると、日本の順位は153ヵ国中121位(前回は149ヵ国中110位)で、G7で最低のランクである。これだけだと日本が男尊女卑の国と後ろ指差されても仕方がないかなあという気にもなる。ただ、この数字だけ見て、ああ我が国はひどい国だと早合点するのもこれまたこれでおかしい。実はジェンダーギャップ指数は、経済、政治、教育、健康の4つの分野でそれぞれ評価が行われて、この4分野の合計スコアで総合ランクが決定される仕組みになっている。そこで下の図をご覧頂きたい。